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数理・データサイエンス

数理・データサイエンス教育

今日の社会はあらゆる分野において,情報通信技術や計測技術の発展により,多種多様な大量のデータで溢れています。そして,「21世紀の石油」とも称されるそれらのデータから価値ある情報を抽出し課題解決や意思決定に活かす一連のプロセスは,一般に「データサイエンス」と呼ばれ,近年その重要性が広く認識されるようになりました。
基盤教育センターの数理・データサイエンス教育では,全ての学生が文理の枠組みにとらわれることなく,数理・データサイエンスを日常生活や仕事場で使いこなすことができる基礎的素養を身に付けることを目標としています。また,基盤教育科目として3科目の数理・データサイエンス科目が開講されており,2021年度に,これらの科目によって構成される「文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(基礎コース)」がスタートしました。さらに2023年度には,データサイエンスやAI技術を用いて問題解決できる人材育成を目指し,基盤教育科目だけでなく,専門科目も加えて構成される「文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(応用コース)」を開設しました。

 

本学の広報誌UUnowの第54号の特集記事でもデータサイエンス教育関連の取り組みを紹介しています。

詳しくはUUnowへのリンクより御覧ください。

R4年度より「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に認定されました

※「文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(応用コース)」は,文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」のR6年度認定を目指しています。

文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(基礎コース)

本プログラムの目標

本プログラムでは,Society 5.0が実現された未来社会において,文理の枠組みにとらわれることなく各自の専門性を実社会で活かし,地域創生に中心的に携わることのできる人材となるために,数理・データサイエンスの基礎的な素養を身に付けることを目標とします。

数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)

本プログラムは、令和4年度より文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に認定されています(認定の有効期限:令和9年3月31日)。

対象

全学部1-4年生(令和2年度以降入学の学部生)

修了要件

必修科目1科目(2単位)及び選択科目1科目(2単位)の合計2科目(4単位)を修得すること。

※各学部の専門科目は所属学生のみが履修可能

本プログラムの説明(動画)

本プログラムの詳細(履修案内抜粋)

プログラムの質保証・点検に関する事項

 本プログラムは毎年度「宇都宮大学数理・データサイエンス・AI教育に関する点検・評価委員会」による自己点検・評価を実施し, プログラムの改善に努めています。

R3年度 文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(基礎コース)提供科目に係る自己点検・評価書

R4年度 文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(基礎コース)提供科目に係る自己点検・評価書

R5年度 文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(基礎コース)提供科目に係る自己点検・評価書(作成中)

文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(応用コース)

本プログラムの目標

本プログラムでは,数理・データサイエンス・AI の基礎的な内容を体系的に修得するとともに,様々な分野におけるデータサイエンスの応用法を実践的に学び,自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIの知識や技術を応用できるようになることを目指します。

対象

全学部1-4年生(令和2年度以降入学の学部生)

修了要件

「ブロンズランク」→「シルバーランク」→「ゴールドランク」→「プラチナランク」と学修を進めることができます。

「ブロンズランク」修了に必要なリテラシー科目(例):

データサイエンス入門(全学必修,2単位),データサイエンス基礎(2単位),AI入門またはAI・機械学習入門(2単位),データサイエンスのための数学(2単位)

※各学部の専門科目については,履修案内で詳細を確認のこと。

本プログラムの説明動画 

本プログラムの詳細(履修案内抜粋)

プログラムの質保証・点検に関する項目

 本プログラムは毎年度「宇都宮大学数理・データサイエンス・AI教育に関する点検・評価委員会」による自己点検・評価を実施し, プログラムの改善に努めています。

R5年度 文理融合型数理・データサイエンス教育プログラム(応用コース)提供科目に係る自己点検・評価書(作成中)

数理・データサイエンス科目

現在宇都宮大学では,基盤教育科目・専門科目問わず数理・データサイエンス関連の科目が開講されています。ここでは全学部の学生が履修できるリテラシー科目として開講されているいくつかの科目を紹介します。

データサイエンス入門(Introduction to Data Science)

  • 授業の概要
    データサイエンスの基礎(データサイエンス・AIの概要や留意事項, 社会での利活用の例, 情報倫理, 初歩的なデータ解析・分析手法)に加え,情報リテラシーとして,Office系ソフトウェアとウェブブラウザ,電子メールの標準的な使い方とそれらの間の有機的連携方法,ハードウェアの基本的な使い方,総合メディア基盤センターPC・学内LAN環境の理解といった内容を,講義と実習を併用した形式で学習します。
  • 到達目標
    すべての学部の学生が,情報化社会で必要不可欠とされるデータリテラシー(データを処理し分析する基礎的な能力)と情報リテラシー(情報機器の操作法,情報および情報手段を自主的に選択し活用していくための基礎的な能力)を習得することを目標とします。
  • 主な授業内容
    学内PC・ネットワークの利用方法,電子メール,タイピング,ネット検索,学術論文・図書検索,情報モラル・倫理,Word,Excel,PowerPoint,情報セキュリティ,AIの基礎,データの収集と整理,度数分布,大きさと散布度の代表値,相関分析など

データサイエンス基礎(Basic Course of Data Science )

  • 授業の概要
    データサイエンスの基礎となる『数理的思考に基づくデータ分析手法(Excel)』と『プログラミング(Python)の基礎』を講義と実習を併用した形式で学習します。また,数学に苦手意識のある人やプログラミングが未経験の人でも理解できるように,基礎的内容を重点的に解説します。
  • 到達目標
    データの取得から分析までの一連の流れを経験することにより,データサイエンスの基礎的技術を習得する事を目標とします。また,データサイエンスを通して,『データという事実から法則や関係性を見出し,それらを検証する』という「サイエンス」の基本的考え方を理解することも目標とします。
  • 主な授業内容
    相関分析,回帰分析,データベース処理,時系列データ,確率論の基礎,クラスタリング,最適化問題,数理モデル,Pythonの基本など

実践データサイエンス(Practical Course of Data Science )

  • 授業の概要
    あらゆる専攻の学生に関係したトピックを題材に,データの分析はもちろん,身の回りの家電やスマートホンなどで活用されているAI・機械学習と称される技術の概要を説明しながら一部体験して頂いたり,日々の学業・仕事などで直面する煩雑な繰り返し作業やデータ収集の自動化,実験・フィールドワークの計画(意思決定)など,発展的な内容についてもご説明します。
  • 到達目標
    データサイエンスに不可欠な基礎的概念の獲得と,データを取得・解析して対象の理解を深めたり,課題解決・意思決定に役立てるといった実践的内容の概要の理解を目標とします。
  • 主な授業内容
    Google ColaboratoryとPythonの基礎,相関・回帰分析,最適化問題の基礎,確率と疑似乱数,実験計画法,ウェブスクレイピングなど

AI入門(Introduction to Artificial Intelligence)

  • 授業の概要
    近年、AI(人工知能)は急速な進化を遂げており、現代社会を支える基盤技術となっている。本授業では、AI技術を理解し、利用するために必要な基本事項を学ぶ。具体的には、まず、実社会におけるAIの活用例からAIを学ぶ動機づけを行う。さらにAI技術の根幹を成す機械学習・深層学習の仕組みを学び、実際にプログラミングを用いて代表的なAI技術の実装をすることで、より深い理解を目指す。本授業では、AIの数学的基礎は扱わないが、その分、AIの歴史、AI開発・実行環境、AI倫理などの関連事項をより多く紹介する。
  • 到達目標
    AIの歴史や活用例に関する知識を習得することで、AI技術を学ぶことの意義を理解する。さらにプログラミングやアルゴリズムといった関連知識を習得することで、本科目を受講した後に、AIに関する発展内容を学ぶ際の助けとなることを目標する。
  • 主な授業内容
    人工知能(AI)とは何か,Pythonプログラミング基礎(条件分岐,繰り返し,配列,関数,ライブラリ),アルゴリズム(ソート,探索),機械学習(教師あり学習,教師なし学習,汎化性能と過学習),深層学習(ニューラルネットワーク,誤差伝搬,畳み込みニューラルネットワーク,再帰型ニューラルネットワーク,変分オートエンコーダー,敵対的生成ネットワーク),開発・実行環境(コンピュータハードウェア,クラウド,docker技術,バージョン管理),情報・AIの倫理

AI・機械学習入門(Introduction to AI and Machine Learning)

  • 授業の概要
    AI(Artificial Intelligence: 人工知能)は現在では至る所に使用されています。声で話しかけるとスマートフォンが答えてくれたり、顔認証でロックが解除されたり、通訳や翻訳もAIによって格段に精度が上がっています。囲碁AIや将棋AIもプロに勝利するレベルですし、ロボット制御や自動運転等、例を挙げたらキリがありません。ChatGPTやBardなどの生成AIも話題ですね。「AIとは何か」からはじめて、現在のAIブーム(第3次AIブーム)のきっかけとなった機械学習・深層学習のしくみ(アルゴリズム: 計算手法)について、やさしく解説します。
  • 到達目標
    ・AIについて説明できる。
    ・機械学習について説明できる。
    ・深層学習について説明できる。
    (AI、機械学習、深層学習についての違いを述べられる。)
    ・教師あり学習、教師なし学習、強化学習について説明できる。
    ・上記の代表的なアルゴリズムについて説明できる。
    ・機械学習/深層学習ライブラリを用いて簡単なAIを作れる。
    ・AI適用時に考慮すべき論点、モラルや倫理について説明できる。
  • 主な授業内容
    AIとは,AIと社会,機械学習とは,機械学習の種類,ディープラーニングとは,ディープラーニングのしくみ,学習データについて,AIと認識,AIの構築と運用など

人間社会と情報の世界C(統計学入門) / Introduction to Statistics

  • 授業の概要
    今日の社会は、情報通信技術や計測技術の発展により、自然現象・社会現象に関する多種多様な大量のデータで溢れており、それらの現象を科学的に理解するためにはデータ分析が必要です。そのデータ分析では、情報学の手法によってデータを処理し、統計学を用いてデータの特徴・規則性を見つけ出し、確率論の言葉によって対象となる現象を数学的に表現します。そしてこれら一連のデータ分析プロセスは、あらゆる分野のデータサイエンスにおいて中心的な役割を担っています。本科目ではデータサイエンスの基盤となる統計学(及び確率論)の基礎を講義形式(オンデマンド)で学習します。
  • 到達目標
    実際のデータ分析に活用するために、統計学の基本的な考え方や統計分析手法を理解することを目標とします。
  • 主な授業内容
    統計学とは,母集団と標本,データの分布,統計量,散布図,クロス集計表,確率,確率変数,確率分布,期待値,分散,離散型確率分布,連続型確率分布,相関と回帰分析,推測統計と標本分布,統計的推定(点推定,区間推定),仮説検定(平均・分散の検定,2標本問題)

データサイエンスのための数学(Mathematics for Data Science)

  • 授業の概要
    データサイエンスでは数学的思考に基づいてデータを取り扱い、戦略・施策に生かすことが求められる。本授業では、データサイエンスの基盤となる数学のうち、ベクトルと行列、微分積分の基礎的な講義を行う。高校で数学Iのみしか履修していない場合も考慮し、高校分野の復習から講義を構成する。なるべく説明は少なくし、演習の時間を多くとる。演習の時間はグループで教え合って、時間内に出来るだけ全員が多くの問題を解けるようになることを目指す。手を動かして計算することを通して、データサイエンスの基盤となる数学的テクニックへの理解を深める。最終的には、本授業から実際のデータサイエンスにおいて、より高度な数学を実践できる基盤を作る。
  • 到達目標
    データサイエンスで用いられる線形代数・微分積分の概念を理解し、基本的な計算が出来るようになる。
  • 主な授業内容
    ベクトルと行列の基本的演算,逆行列,連立方程式と行列,ベクトルと行列のノルム,ベクトルの一次独立性,正規直交基底,行列式,余因子展開,固有値と固有ベクトル,行列の対角化,導関数,積・商の微分,合成関数の微分,増減表と極大・極小,定積分,部分積分,置換積分,講義積分,偏微分・重積分の紹介

 

副専攻プログラム「DS×経営」

上記の科目のうち、データサイエンス入門・データサイエンス基礎・実践データサイエンスは,宇都宮大学における副専攻プログラム 「DS×経営」の対象科目としても指定されています。

副専攻プログラム「DS×経営」についてのリンクはこちら